
「孤独」な自分を肯定できない方に読んで欲しい - 読みやすいです。1ページの文字数がスカスカで、小見出しも端的な言葉が選ばれていますから、斜め読みしてもだいたい内容を追えます。私も約30分ほどで一気に読みきれました。「孤独(ひきこもり)」に「善・悪」の判断を下すのはおかしい、という指摘はなるほどと思わされます。良い意味で、人間の不完全性・不器用さを指摘し、それを認めていこうではないか、という主張が一貫していました。学校環境(教師と生徒)のお話などは若干古くさくて説教くさいですが、ラディカルな物言いは著者のレトリック(笑)でしょうし、これくらい強引に書かなければいけないほどに自覚が足りない、という著者の危惧として読み取れます。最後に、実用を考えている方は、第三者への主張のために読むのではなく、自己防衛または心の支えとして本書を頭に入れておく程度がいいと思います。「ひきこもり」に偏見的な方々が本書の主張で心を動かされるとは、なかなか思えないですし、著者がそこまで欲張っているようには感じられなかったからです。
親の代理死と言い切る勇気 - 吉本隆明氏がこの本で「死」について真正面から語るとき、とても潔く、ひとときも目をそらさない強い力を感じた。「子どもの自殺は親の代理死である」一人の親である吉本氏がこのように語るには相当な覚悟が要るはずだろうが氏はあえて語る。この語りの強さに、人によっては違和感や拒絶感を覚えるもしれないが、私は大きな勇気を感じた。大人として、子どもを死なせない生き方をしたい。
タイトルに惹かれるがまま‥ - 何気に本屋さんで、ふとタイトルが目に止まりました。そんな自分も若干ひきこもり体質があったからでしょうか。レビューでもある様に確かにひきこもりを肯定してます。逆にひきこもりをマイナスなイメージでしかない方には、これを読めば違った解釈が生まれると思います。また、ひきこもり体質の方には勇気や元気、そして今ある自分に明るい意味をもたらしてくれるでしょう。この本がきっかけで吉本隆明さんのファンになり他の書籍も沢山読ませて頂いてます。
数少ない、ひきこもりに関する真に実際的な書 - あの「共同幻想論」の吉本隆明氏の本とは思えない、分かりやすい平易な文章で、1時間もあれば読めるのではないだろうか?しかし、さすが「共同幻想論」の吉本隆明氏の本であり、ひきこもりに関する他の論者とは一線を画す。吉本隆明氏は、自らもひきこもりと平然と言う。そして、ひきこもりは本人のせいではなく、また、ひきこもりは決して治らないと言い、世間で行われる、ひきこもり気質を矯正するかのような試みの愚かさを指摘する。そして、ひきこもりは決して欠点ではなく、むしろ優れた特性であり、ひきこもりのまま豊かな人生を送れる様に考えるべきと言う。さらに、これはひきこもりだけのことではないが、自らの経験を基に、仕事の能力を身に付け、社会で生きていく原理を示すが、これは一般に就業が難しいと言われるひきこもりにも十分に有効である。ひきこもりに関する、初めて実際的で読むべき本に出逢った思いである。
本当の自立 - 「ひきこもりが問題ではなく、ひきこもっている人を外へ連れ出す人が問題である」とても逆説的な吉本さんの言葉です。そして、「大抵のひきこもりの人は、社会の建て前を見抜いて嫌になりひきこもるのではないか」と分析しています。自身もひきこもり性であり、その体験から丁寧に語られています。世の中の価値観を次々ひっくり返していく力強い一冊です。